下塗りの役割について※フィラー
本記事では下塗りの1つであるフィラーの役割について紹介します。
床塗装に限らず塗装をする際は下塗りをすることが大半ですが実はこの工程は結構大事なのです!
1.下塗りとは
下塗りとは塗装する際に最初に塗装する塗料になります。
此方を塗装することで下地と上塗りの密着向上、きれいに仕上がるなどの効果があるので大切な工程になります。
建築塗装の下塗りについて大まかに以下の3種類があり、下地種類、状態により使い分けます。
本記事では下記のうち、No.3の「フィラー」を紹介していきます。
※別の記事で他の下塗り(シーラー、錆止め)について紹介しております。
No. | 種類 | 適用下地 | 製品例 |
1 | シーラー | ・コンクリート
・モルタル ・アスファルト |
・NT水性速乾プライマー (水性)
・ボウジンテックス浸透性シーラーエポ (油性) |
2 | 錆止め | ・鉄部
・非鉄金属(亜鉛メッキ、アルミ など) |
・【鉄部用】NT金属用プライマーECO (油性)
・【非鉄金属用】エポラ#3プライマー (油性) |
3 | フィラー | ・コンクリート(外壁塗替えのみ)
・モルタル(外壁塗替えのみ) |
・水性ソフトサーフSG (水性)
・ソフトリカバリー (油性) (水性) |
※1 上記で紹介している下塗り材は床用になります。
ただし、フィラーに関して床用の材料はありません。
※2 上記においてフィラーは外壁用を紹介しておりますが床には使用できません。
ちなみに塗装業界において下塗り材のことをプライマーと呼ばれることがあります。
此方はシーラー、錆止めを指しておりますが両者とも機能は大きく異なります。
材料選定時に品名だけではどちらか分からない場合は錆止めかどうかを確認すれば確実かと思います。
(プライマーはシーラーと錆止めを指している)
2.フィラーの機能
今回の記事では前述の3種類の内、フィラーについて紹介します。
前述のとおりですがフィラーついては床用はありません。。。
↑名前で「フィラー」と付く材料はありますが今回紹介するものとは少し用途が異なります。
外壁且つ下地がコンクリート、モルタルなど既塗装面の場合に適用する下塗材になりますが主な機能は以下の通りになります。
(1)ヘアークラックなどの微細なひび割れの補修
業界にて「微弾性」とも呼ばれるとおり、少し弾性があるのでこちらを塗装することで
塗装面に生じたヘアークラックなどの微細なひび割れも補修します。
(ヘアークラックの例)
(2)既存の模様とは違う模様にできる
既存も模様はもちろんですが厚付することで新しい模様(さざ波模様)に変更することも可能です。
ただし、マスチックローラーが必要であること、厚付なので通常の塗装より所要量(通常の2~3倍)が多くなります。
塗替えのイメージは以下写真の通りになります。
左の写真がフィラーを薄付した場合、右の写真がフィラーを厚付(さざ波模様)した場合になります。
※各写真とも左が塗替え前(リシン)、真ん中がフィラー、右が上塗りになります。
(左 :フィラー薄付、右 :フィラー厚付(さざ波模様))
(3)密着性向上
シーラーは両面テープのような役割も担っており、下地と上塗り材の密着性を向上してくれます。
密着性が向上すると塗膜が剥がれにくくなります。
(密着性向上イメージ、例えは右記のとおり→下地:黒い部分、下塗り:両面テープ、上塗:紙)
3.まとめ
今回は下塗りの種類およびその中の1つであるフィラーの役割について紹介しました。
※別の記事で他の下塗り(シーラー、錆止め)について紹介しております。
前述のとおり、下塗りにも種類があり塗装する下地により適切なものを選定する必要があります。
そのようにすることで下地を補修しつつ、剥がれにくく、美観を長く維持することにつながります。
以上になりますがご不明なあれば問合せ受付もしておりますのでご連絡頂ければと思います。