2020/08/22

塗装の回数について

本記事では塗装の回数について紹介します。

各塗床材のカタログ、説明書には塗装に際して既定の回数が記載されておりますがこれらにはちゃんと理由があるのです。

 

 

 

 

 

1.塗装回数


 

塗装に際して大半は3回塗(下塗り1回、上塗り2回)を推奨されております。

 

 

ちなみに下塗りと上塗りは使用する塗料が異なります。

下塗りと上塗りの組み合わせは各メーカーの塗床材のカタログ、説明書に記載されております。

 

(カタログ記載例(水谷ペイント ボウジンテックス#1000))

 

塗料を購入する際は塗料のカタログ、説明書を確認して適切な下塗材、上塗材を組み合わせるようにしましょう。

2.各工程について


 

3回塗において各工程とも役割があります。

各工程の役割は以下の通りになります。

 

(1)下塗り

 

下地と上塗りの密着向上、きれいに仕上げるための塗装の基礎を整える工程になります。

 建築塗装の下塗りについて大まかに以下の3種類があり、下地種類、状態により使い分けます。

 

No.  種類  適用下地  製品例
 シーラー ・コンクリート

・モルタル

・アスファルト

・NT水性速乾プライマー (水性)

・ボウジンテックス浸透性シーラーエポ (油性)

 錆止め ・鉄部

・非鉄金属(亜鉛メッキ、アルミ など)

・【鉄部用】NT金属用プライマーECO (油性)

・【非鉄金属用】エポラ#3プライマー (油性)

 フィラー ・コンクリート(外壁塗替えのみ)

・モルタル(外壁塗替えのみ)

・水性ソフトサーフSG (水性)

・ソフトリカバリー (油性) (水性)

 

※1 上記で紹介している下塗り材は床用になります。

   ただし、フィラーに関して床用の材料はありません。

※2 上記においてフィラーは外壁用を紹介しておりますが床には使用できません。

    ※3 別の記事にて各下塗り(シーラー錆止めフィラー)について紹介しております

(2)上塗り(1回目)

 

規定量を塗装するための1回目の上塗りを塗装する工程になります。

上塗り塗料は美観の向上だけでなく、摩耗性、耐薬品性、耐候性など塗料によりさまざまな機能を発揮しますが

これらの機能を十分に発揮するには一定量の塗料を塗装する必要があります。

 

 一見、「上塗りを1回で塗装すれば工程も少なく、材料代も安くて済むのでは」と思うかもしれませんが

その場合、以下のようなことが起こる可能性があります。

 

 

①塗装にムラができて美観が損なわれる

 1回目の塗装では塗装したところの色のつき具合に差が生じてるので多少のムラが生じます。

 上塗り2回目をすることで塗装面全体に上塗り塗料が行き届いてムラがないきれいな仕上がりになります。

 

 

 (ムラのイメージ)

 

 

 

②塗料の機能が発揮されない

 上塗り塗料の機能を十分に発揮するには一定量の塗料を塗装する必要があるのですが

 1回の塗装で塗装できる量には限度がある為、2回塗装をする必要があります。

 

 ただし、塗料によって1回塗でも良い仕様のものもあります。

 工程を減らしても質を妥協をしたくない方はそちらを検討するのもありだと思います。

  製品例)染めQテクノロジィ 密着!!油まみれでも日本特殊塗料 ユータックE-30Nローラー用 など

 

 

 

③色落ち、剥げやすくなる

 既定の量を塗装されていない分、塗膜が薄くなるので色落ち、剥げやすくなります。

 

 

 (色落ち、剥げのイメージ)

(3)上塗り(2回目)

 

 前述のとおり、上塗り塗料の規定量を塗るための工程になります。

 規定量を上塗り塗料を塗装することで

 本来の機能を発揮、色落ちや剥げの防止はもちろん、美観が向上します。

 

 特に美観の向上について1回目では色の付き具合に差があるので、ムラが発生しがちですが

 2回目の塗装により色がまんべんなく行き届くのできれいに仕上がります。

 

 

 (きれいな床のイメージ)

3.まとめ


 

今回は塗装の回数ついて紹介しました。

 

塗装に際して大半は3回塗(下塗り1回、上塗り2回)を推奨されております。

いずれの工程も役割がありますので工程を省いたり、横着しまうと美観や塗装後の持ちが変わってきます。

 

少しでも工程を減らしたい方はそのような仕様の塗床材もありますのでこれらを検討するのも一つの手だと思います。

製品例)染めQテクノロジィ 密着!!油まみれでも日本特殊塗料 ユータックE-30Nローラー用 など

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以上になりますがご不明なあれば問合せ受付もしておりますのでご連絡頂ければと思います。

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